問題の本質は10年という長期間の工事よりも、通行止め前に迂回路を適切に整備しなかったことにあります。
昨年10月末からアンダーパス化のため、通行止めとなっている南松本駅近くの宮田前踏切。1年が経ち現在の様子を確認してきましたので、渋滞状況や工事の進捗をお伝えしていきます。

まず主な迂回先である「やまびこ地下道」周辺の渋滞状況はこのようになっています。眼鏡市場近くの「出川西交差点」を先頭に、東西南北の全方向で激しい渋滞となっています。
特にやまびこ道路の高宮→並柳は深刻で、正直歩いた方が早いくらいでした。この渋滞を避けようと、住宅街の抜け道に流れる車も多く発生しています。

そして東京インテリア横の道路から地下道方面に右折する車線では、やまびこ道路が詰まっており青信号になっても1〜2台しか進めない状況が続いていました。この車列は南松本駅付近まで延びることもあり、宮田前踏切の迂回路では慢性的な渋滞となっていることが分かります。
今回 非常に問題だと感じているのは工事に10年もかかること以上に、迂回路の渋滞対策があまりにも不十分であるという点です。
宮田前踏切は、以前から1日数千台の車が通行していた場所です。迂回先のやまびこ地下道や19号平田交差点周辺は、通行止め前から慢性的な渋滞が発生していました。
そこに大量の車が流れ込めば、その道路がさらに混雑することは容易に想像できたはずです。それにも関わらず県の対応は、迂回を呼びかける看板の設置・踏切近くに仮設道路を整備するだけに留まっています。


2007年に事業化されてから20年ほど。用地買収に時間がかかるなどあったでしょうが、その間に十分な対策を講じることはできたはずです。
市民からは「線路の上に橋を架けるオーバーパスで良かったのではないか」「10年もかかるなら、やる必要がない」との声まで上がっています。
もちろん道路の長さが足りなかったり用地の問題もあるでしょう。ただ事業費109億円もかかっているだけに、もっとやりようはなかったのかと思ってしまいます。

そして今すぐに実施すべきなのが、信号制御の見直しです。特にやまびこ道路の高宮→並柳方面に向かう車線では、尚念の所にある交差点「やまびこ地下道西」の信号が青になっても、地下道を通った先にある「出川西」が赤になってしまうため、車がスムーズに進まずそれが渋滞の原因となっています。
また出川西交差点への左折レーン整備、田川に架かる出川橋での右折禁止なども有効です。もちろん用地の制約があったり、別の道路に渋滞を移してしまう可能性はあります。それでも実施可能な対策を検討し、必要に応じて試験的に運用することもできるはずです。
今回のアンダーパス化は長野県が進める事業ですが、迂回路は松本市が管理する市道であり、信号制御は警察の所管です。管轄が異なるからこそ県・市・県警がしっかりと連携し、抜本的な渋滞緩和策を実行する必要があります。

肝心の工事現場は踏切設備こそ撤去されたものの、地上から見る限りでは掘削が始まっているようには見えませんでした。地下水への対策や線路の安全確保など、目に見えない部分の工事に数年を要するとの報道もあるため、進捗が遅れているとは限りません。
難しい工事であることは理解できます。しかし、だからといって周辺道路の渋滞まで仕方がないと片付けていいのでしょうか?長期間の通行止めが必要なら、それに耐えられる迂回路の環境を先に整えるべきだったと思います。
この先も9年以上、毎日このような渋滞が続くことを考えると、あまりにも負担が大きすぎます。道路は街の基礎であり、市民生活を支える重要なインフラです。完成後の便利さだけでなく、工事期間中の生活にも目を向けてほしい。
これほどの混雑を前に、対策に取り組まない行政には強い疑問を感じます。県・市・県警には、早急に渋滞改善へ取り組んでもらいたいところです。





