長野県松本市を南北に貫く大動脈、国道19号。その北側にある「新橋交差点」では、直進車がたった1台の右折車によって止められるという、異様な状況が日常的に発生しています。
右折レーンがない交差点は松本市内に数多くありますが、新橋交差点はそれだけではありません。なんと19号を南へ向かう車線が、左折専用レーンと直進・右折兼用という異常構造になっているのです。

こちらが交差点の手前。安曇野から塩尻方面へ進むと、道路が2車線になります。普通に考えれば交通量の多い直進車と右折車は分けたいところですが、実際の構造は真逆です。
左側は松本城方面へと向かう左折専用レーン。右側の1車線に国道19号を塩尻方面へ向かう直進車と、島内方面へ曲がる右折車がまとめられています。

そのため先頭の車が右折待ちを始めると、大量の直進車も一斉にストップ。対向車が途切れなければ、青信号の大半を右折待ちだけで使ってしまい、国道上に長い車列が伸びていきます。
さらに危険なのが、右折車を待ちきれなくなった直進車の動きです。右折待ち車両の横には左折レーンがあるため、多くの車はそこへはみ出して右折車を追い越し、その先で本線へ戻る動きをします。

地元紙も2025年1月、右折車の後ろから来た直進車が左折レーンにはみ出して通過することが常態化し、追突や接触事故の危険が大きいと報じました。実際、今年3月にはこの交差点で横転事故が発生しています。
左折しようとしている車と、右折車を追い越して直進しようとする車が同じ場所へ…。渋滞を生むだけでなく、道路構造そのものが危険な運転を誘発していると言ってもいい状態です。

これだけ問題が明らかになっているにもかかわらず、すぐに右折レーンを整備する計画はありません。
地元紙の取材に対し長野国道事務所は、交差点の状況を認識していると回答。一方で、改良するためには交差点南北の道路拡幅が必要であり、2025年1月時点では具体的な計画は未定としています。
確かに交差点周辺には建物や事業所があり、本格的な拡幅には用地取得や多額の費用が必要になるでしょう。大規模な拡幅がすぐにできないのであれば、車線の使い方や停止線の位置・信号制御を含め、現在ある道路幅の中で改善できないか検討する余地はあります。

理想は左折・直進・右折をそれぞれ分離することです。道路幅や用地の問題で難しい場合でも、左折レーンを直進兼用へ変更する・右折レーンを少しだけ設ける・信号制御を変えるなど複数の方法が考えられます。
松本安曇野塩尻の40万人都市圏を貫く幹線国道で、直進する大量の車が右折車1台に阻まれ、左折レーンから追い越す車が続出する。これを当たり前の光景として放置していいのでしょうか?
重大事故が起きてからでは遅すぎます。慢性的な渋滞を緩和するためにも、新橋交差点の右折レーン整備を含めた早急な改善策が求められます。





