とうとう10年間の通行止めが始まります…
10月31日(金)22時から南松本駅近くの宮田前踏切にて、アンダーパス化工事にともなう車両通行止めが行われる予定となっています。

市民からは「不便になる」「迂回先が大渋滞になるのではないか」といった声が多く上がっているため、どのような工事になるのかまたどのような影響が生じるのか、解説していきたいと思います。

貨物列車などが頻繁に通り市内一の開かずの踏切となっているこの場所は、脱輪した車が電車と衝突するなど事故も相次ぐ危険な踏切として知られています。
幅7mほどの狭さにも関わらず交通量は極めて多く、歩行者や自転車の横断も多いためとても危ないです。踏切が開いて30秒もしないうちにまた閉まるため、待ち時間が長く車が滞留しやすい状況となっています。

また路面状況も非常に悪いなど、とても通りづらいが使わざるを得ない踏切となってしまっています。
こうした背景から慢性的な渋滞の解消と周辺道路の安全を確保するため、巨額の資金と膨大な時間を費やしてでも工事が始まることになりました。
アンダーパスの完成イメージはこんな感じ!


これができればとても有り難いですが、着工まで数十年・工事に10年という年月を費やす規模のものかといわれれば、正直他の都市ではありえない異常さだと思います。なぜもっと早く着手できなかったのか、なぜ10年もの月日がかかるのか市民の疑問はつきません。
市の調査によると、宮田前踏切の平日24時間の交通量は約5600台。すべてが踏切を渡っていたわけではないと思いますが、一日数千台の車がこの踏切を使っていたことは間違いありません。


では通り道を失った車はどこへ向かうのか。
県はやまびこ地下道や平田方面への迂回を呼びかけていますが、どちらも通行止め前から慢性的な渋滞が深刻な箇所となっているため、11月から災害級の大渋滞になることが考えられます。



10年間通行止めという大規模なものにも関わらず、迂回先のやまびこ地下道周辺の信号制御を改善したり、左折レーンを設置するなど事前の対策がなにも行われていないことには失望しかありません。

また平田方面についても、国道19号平田南交差点に右折レーンがいまだ設置されていないことにより、慢性的な渋滞を引き起こしています。強制収用を行ってでも、ただちに右折レーンを設置するべき場所です。
松本建設事務所は工期が概ね10年間となる理由について「列車運行の安全性を確保するため、夜間の限られた時間での作業になる。軌道陥没等の影響も考慮し、一部人力による掘削を伴う箇所もあるため、長期間にわたる作業となる」としています。
難しい工事になるとしても、10年間封鎖というのは決して容認できるものではなく、巨額の費用を投じてでも工期を圧縮してもらいたいところです。11月から南松本の交通が麻痺することは確実であり、市民生活に大きな支障をきたすこととなりそうです…