2025年2月末での営業終了が決まっている松本パルコ。今年2月27日 突然の閉店発表があったことは記憶に新しいかと思います。その跡地利用を巡っては多くの噂が飛び交っており、皆さんもどうなるか注目されていることでしょう。
今回はパルコ跡に民間企業が入らなかった場合 臥雲市長など行政主導の元、開智にある中央図書館が移転し複合的な施設になる可能性について考えていきたいと思います。
※このサイトは個人が運営しており、今回の記事は一般市民の見解ですので予めご了承ください。現時点で松本パルコ跡に中央図書館が移転するという事実はありません。
個人の考えとはいえ、全く根拠がない話という訳でもありません。2022年8月18日の市民タイムスの記事によると、松本駅前に複合的な機能を持たせた図書館を設置する構想が浮上しているといいます。
松本市の臥雲義尚市長は「図書館のあり方は今後、大きく変わってくる。先進的な自治体は従来の本の貸し借りだけでなく、幅広い世代が利用するスペースを設けている所もあり、人の行き交う場所に図書館機能があるべきという考えもある」と検討への意欲を示し、「図書館機能の松本駅前への配置については、最終的には(臥雲市長が掲げる)市役所の分散型構想と並行して結論を出したい」と述べた。
引用元:市民タイムス
まだこの時点でパルコの閉店は決まっていなかったものの、利便性に優れる駅前に図書館があったら良いよねという市民の声などを元に、松本市教育委員会や臥雲市長は中央図書館の分館を駅前に設置することの検討を始めていたようです。
中央図書館の現在の建物ができたのは1991年。30年ほど経つため確かに館内は古臭さを感じるものの、特に困る点はないように思えます。館内では高齢者の方が多く見られたものの、意外にも若い人を多く見かけました。3階の学習スペースでは多くの学生が勉強していたため、仮にパルコ跡に移転となった場合に高齢者・若者ともアクセスのしやすさが向上するので嬉しい話ではないでしょうか。
パルコ周辺は駅前という事もありビジネスマンも多く、仕事や勉強ができフリーWi-Fiのあるコワーキングスペースの設置も十分に考えられます。また現在の図書館は基本的に静かなスペースのみですが、パルコでは違うフロアにワイワイ交流できるスペースもあれば良いかなと。ただ現在のような静かなエリアを駅前の場所で維持できるのかという課題もあります。
松本市のお隣 塩尻市では駅前に市民が交流できるコミュニティーセンター「えんぱーく」という施設があります。地上5階建ての建物に図書館や子育て支援センター・会議室や学習室・多目的ホールや芝生広場まであり、市民の憩いの場となっているようです。またイノベーションを起こす施設も塩尻駅前にあり、松本市からも優秀な学生を中心にそちらへ流れている事が確認されています。
パルコの閉店が発表された後 2023年3月1日の市民タイムスの記事によると、パルコ跡について臥雲市長は民間事業者の再開発の動きが不十分な場合、公共利用する可能性にも含みを持たせています。
市は利活用の支援、調整に前向きだ。臥雲義尚市長は「市街地の核となる場所で、利活用の可能性は大きい」と注視。「分散型市役所ということで公共事業と民間投資を連動させたまちづくりを4月以降本格的に動かしたいので、さまざまな選択肢を念頭に置きながら検討したい」とし、民間事業者の再開発の動きが不十分な場合、公共利用する可能性にも含みを持たせる。
引用元:市民タイムス
このことから松本パルコ跡に民間企業の積極的な活用が無い場合は市が動き、中央図書館の移転または分館を設置させつつ、分散型市役所との事で一部の機能を市役所からパルコ跡に移す可能性も考えられます。
ただ中途半端な施設となってしまい市民に受け入れられない恐れも十分ありますが、幅広い世代が利用するスペースを設けた複合施設へと生まれ変わる可能性も考えられます。塩尻市のえんぱーくの評価は高く、こちらをモデルに進めることも十分可能であると思います。
仮にパルコ跡へ図書館や行政機能が入り交流スペースやフードコートなどがあれば興味深いものの、閉店までは残り2年弱。民間企業の活用が進まない場合、行政のスピード感でこの大きな話をどのくらいまとめられるのか今後も注目していきたいと思います。